交通事故の死亡事故損害賠償とは、お亡くなりになった方の遺族(相続人)が、事故の加害者やその保険会社を相手に、被害者の慰謝料や逸失利益、また、遺族固有の慰謝料等を求めて、損害賠償の請求をすることです。
原則として、相続人全員が協力して、請求をすることになります(遺産分割や相続放棄があった場合はまた変わってきます)。

大切なご家族を亡くされた方へ

ご家族が、突然の交通事故で、お亡くなりになられた場合、家族の悲痛は計り知れません。
そんな中、保険会社から連絡があり、「このまま示談して良いのか?」、「誰がどうやって請求すれば良いのか?」など、わからないこと・お困りのことがたくさんあるかと思います。
また、事故の状況について、「加害者側の言い分に納得できない」場合でも、こちらの言い分を裏付けるものがなく、悔しい思いをしている方も多いかと思います。
当事務所では、このようなご遺族のお悩みについて、交通事故のプロフェッショナルが全力でサポートさせていただきます。
・過失割合の調査
・示談金の交渉、裁判
・交通事故にかかわる相続のご相談
・刑事事件の被害者参加について
・その他交通事故についてのお悩み全般

などについてお悩みの方は、グリーンリーフ法律事務所事務所にご相談ください。
当事務所では、主に埼玉での死亡事故・ご遺族の方から、数多くのご相談・ご依頼をいただいて、保険会社との交渉や裁判を手掛けております。

初回法律相談料無料、着手金は0円です。丁寧でわかりやすい説明を心がけておりますので、まずはお電話ください。

交通死亡事故が起きたらやるべきこと

突然の出来事で、なにをどうすれば良いかわからない方もたくさんいらっしゃるかと思います。
通常、人が亡くなった時は、葬儀や死亡届の提出、残された相続財産の処理(名義変更・銀行口座解約等)をすることになります。
その中で、交通事故でなくなった場合には、
「加害者に対して損害賠償請求を行う」という法律問題に直面することになります。
交通事故の損害賠償は、事故の日から、3年で時効となってしまいます。

そして、加害者が任意保険に加入している場合は、加害者の代理として、保険会社の担当者から連絡がくることになります。通常は、この保険会社と、損害賠償金の話をすることになります。

誰が損害賠償請求をするのか?

加害者(保険会社)に損害賠償請求ができるのは、被害者の相続人となります。
したがって、まずは、誰が相続人であるかを、よく知っておく必要があります。

相続人ついて詳しくは、こちらをご覧ください。

示談交渉は、誰がいつ始めるのか?

通常は、加害者が入っている保険会社から、ご遺族に連絡が入ります。
保険会社の担当者が、葬儀に参列させてくださいというケースもあります。

損害賠償の金額は、被害者がお亡くなりになった瞬間に計算ができるので、示談交渉自体は、保険会社の担当者と連絡がついた時からすぐに行うことはできます。
しかし、保険会社も、一般的には、四十九日を過ぎてから、具体的な話をしてくるようです。

上で、相続人が賠償請求権を引き継ぐとご説明をしましたが、相続人が複数いらっしゃる場合は、大体は、そのうち一人が代表して交渉することが多いと言えます。

すぐに示談をしても良いのか?

当事務所としては、「すぐに示談はしない方が良い」と考えます。

もちろん、交通事故の事は早く忘れたいという方もいらっしゃるので、早く解決するのが望ましいでしょう。ただ、以下の点は知っておいていただきたいと思います。

理由① 保険会社が提示してくる金額は適正とは言えない

交通事故の賠償金の基準には、①自賠責基準、②保険会社基準、③裁判(弁護士)基準があります。
一般的には、①<②<③の順で、金額が大きくなるのですが、保険会社の提示は、ほとんどが①か②の提示で、「相場よりも低い金額」を提示してきます。

まさかと思いますが、結果的に、保険金の額が数百万円~数千万円違ってくるケースも多くあります。
したがって、保険会社の提示が、相場に比べてどうかについて、弁護士にまずは相談するのが望ましいです。
まずは相談した上で、このまま示談をするのか、弁護士に依頼をして、「弁護士基準」で交渉をしてもらうのか等の方針を決めれば良いと考えます。

また、交通事故で被害者が死亡された場合、被害者ご本人が存命でないため、事故の様態を説明できるのは加害者と目撃者のみとなります。そのため、警察の事情聴取や事故現場の検証も加害者に有利に行われてしまいがちです。

死亡事故で、弁護士に依頼いただいた場合、まずは証拠となる資料を分析することから始めます。この分析を手掛かりに、加害者の言い分の信用性、あるいは矛盾点などを究明することになります。また、加害者側の一方的な言い分に沿って進まないようにするために、目撃者を探したり、客観的に事故現場の調査をすることが必要な場合もあります。

理由② 加害者の量刑が軽くなる

死亡事故が起きた場合は、加害者は、警察の捜査を受けて、最終的に裁判にかけられるかは検察官が判断をすることになります。
そして、裁判では、裁判所が量刑について判決をだすという流れになります。

この中で、判決がでるまでに示談が成立した場合は、被害弁償が終わったということで、加害者の量刑にとって良い事情となるのです。

ご遺族としては、できるだけ厳罰にしてほしいという感情もお持ちかと思います。
したがって、そのような方は、刑事裁判の進行も考えつつ、示談交渉をする必要があるという点も覚えておいていただければと思います。

なお、刑事裁判については、被害者ご遺族が裁判に参加できる制度があります。

被害者参加制度については、こちらをご覧ください。

死亡事故の損害賠償

死亡事故の場合に、保険会社から提示される示談の金額が妥当かどうか、一般にはなかなか分かりにくいと思います。
また、損保会社が損害賠償額を低く抑えようと調整していることがありますし、被害者本人が存命でないため、過失相殺等の妥当性の判断等は特に難しいかと思います。

下記には、死亡事故の場合、保険会社が示談の提案をしてくる際の損害賠償額の代表的な項目に関する注意点を記載いたしたので、参考にしてください。

死亡事故の損害賠償の計算方法

死亡事故の賠償額の計算は、以下の表のA~Cの合計額です。

A 葬儀・治療関連費 葬儀関係費用・(死亡までの)治療費等
B 死亡慰謝料 被害者に対する慰謝料
被害者の近親者(家族)に対する慰謝料
C 死亡逸失利益 残りの人生で予想される収入減少の補償
※事故前年収入や労働能力喪失率を基準に算定

葬儀関連費

自賠責基準ですと60万円となりますが、弁護士基準ですと150万円程度が相場となります。
それ以下の場合は、実費分が基準となります。

詳しくは、コラム【死亡事故と葬儀費用について】をご覧ください。

死亡慰謝料

死亡慰謝料は、交通事故に遭って、死亡された被害者の精神的苦痛に対する賠償です。また、死亡慰謝料には近親者に対する慰謝料も含まれています。

慰謝料金額の、一応の目安は以下の通りです(具体的な事情により増減します)。

●死亡したのが一家の支柱    2800万円
●死亡したのが母親または配偶者 2500万円
●その他     2000万円~2500万円
※その他とは、独身の男女、子供、幼児等です。

詳しくは、コラム【死亡事故の慰謝料について】もご覧ください。

死亡逸失利益

死亡逸失利益とは、被害者が事故に遭わずに生きていたならば、得られたであろう利益をいいます。

-逸失利益の計算方法-

まずは、被害者の基礎収入額を算定します。その上で、就労可能年数分の収入を計算します。

ただ、損害賠償金を受け取る場合は一括で受けとることになるので、その分の中間利息を控除しなければなりません。

また、死亡すると生活費がかからないので、その分も控除する必要があります。

これらを、計算式にすると、以下の通りです。

事故前の基礎収入✕(1-生活費控除率)✕就労可能年数に対応する中間利息控除指数(ライプニッツ係数)

◇基礎収入とは?

交通事故前に、現実的に得ていた収入です。

たとえば、会社員やパートの給与等です。
主婦や学生、無職者、幼児等については、政府が発行している統計資料である「賃金センサス」により、平均賃金を基礎として計算します。

◇生活費控除率とは?

死亡事故により生活費がかからなくなる場合に、控除されるものです。

目安として、一家の支柱で被扶養者が一人の場合40%、被扶養者が二人の場合30%、女性(主婦・独身・幼児等も含む)の場合30%、男性(独身・幼児等含む。)の場合50% です。

◇ライプニッツ係数とは?

交通事故における人身事故で損害賠償を支払う時に、長期的に発生する就労機会の喪失・減少分の逸失利益など、長期的に発生する賠償金を前倒しで受けとる際に控除する指数です。
やや難しい概念ですが、表によりほぼ定型化されています。

詳しく知りたい方は、ライプニッツ係数をご覧ください。

死亡事故の損害賠償についてのコンテンツ一覧

死亡事故の損害賠償
誰が損害賠償を請求できるか
被害者参加制度(刑事裁判)
コラム【死亡事故と葬儀費用について】
コラム【死亡事故の慰謝料について】