紛争の内容
依頼者の方は、信号待ちのため停車しているときに、後方から後続車に追突されました。
その結果、依頼者の方は頚椎を痛めてしまい、整形外科に通院することになりました。
本件では、物損の段階で保険会社とトラブルになっていたため、治療が始まった段階でしたが、当事務所にて法律相談を受けられました。
その後、ご依頼いただくことになりました。
なお、依頼者の方は、ご自身の自動車保険に弁護士費用特約を付帯されていました。
そのため、弁護士費用の自己負担なく、ご依頼いただくことができました。
交渉・調停・訴訟等の経過
まずは、物損についての交渉をおこないました。
本件では、事故に遭った車両の年式が古かったこともあり、保険会社は新車価格の10パーセントの提示をしていました。
もっとも、本件車両は、依頼者の方が自営業で使っていた特殊な車両であり、中古車市場で同等の車両を入手しようとすると、保険会社の提示する金額では到底足りませんでした。
そこで、中古車市場の平均価格を算出し、その金額で交渉しました。
結果、こちらの提示額で示談することができました。
怪我については、約半年の通院後、症状固定に至りました。
その後、怪我の方の賠償金の交渉に入りましたが、保険会社の提示額は、通院慰謝料の項目が裁判所基準と比べて明らかに低い金額でした。
本件では、通院頻度や治療内容を見ても、裁判所基準の満額の通院慰謝料が支払われてしかるべき事案でした。
しかし、保険会社は、交渉段階では一貫して裁判所基準からの減額を主張してきました。
そこで、こちらの請求額の満額の支払いを求めて、交通事故紛争処理センターへ斡旋の申立てをしました。
本事例の結末
あっせん申立書、および、弁護士が出頭したあっせんの期日において、本件では明らかに裁判所基準の満額の通院慰謝料が支払われるべき事案である旨主張しました。
結果、あっせん委員もこちらの主張を認め、こちらの請求額の満額で保険会社と合意しました。
本事例に学ぶこと
本件では、物損、人損ともに、賠償金の増額に成功しました。
今回のように、保険会社の提示する賠償額は低いことが多くあります。特に、弁護士費用特約を利用できる場合には、一度弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士 赤木 誠治