紛争の内容
自動車を運転していたAさんは、進行方向の信号が赤信号であったため停止していたところ、後方にいた相手車両が赤信号であったにも関わらず信号無視して走行してきたため衝突を受け、Aさんが怪我を負いました。

交渉・調停・訴訟等の経過
当方は、訴状及び書証を整え、訴訟提起しました。
訴訟係属中、賠償額を分割払いすることでの和解解決が見込まれましたが、その後の期日に被告本人が出頭しなかったため、和解不成立となり、「請求額全額+遅延損害金を支払え」との判決が出されました。

しかしながら、被告は判決確定後もなかなか賠償金を支払う様子ではなかったため、当方は、被告名義の預貯金口座を差押え、賠償金を回収することにいたしました。

法律上、「金員を支払え」と記載された判決書(「債務名義」といいます。)を獲得したにもかかわらず、相手方が支払いをしてくれないとき、その債務名義に基づいて、預貯金口座や給与債権に対し差押えの申立てをすることができます。

当方は、まず、被告名義の預貯金口座を見つけるべく弁護士会照会手続を利用し、その結果被告がある銀行の預貯金口座を持っていることが分かりました。

そして、当方は、裁判所に対し、被告の有している預貯金口座に関する債権差押命令の申立てを行いました(合計2回)。

本事例の結末
2回にわたる債権差押命令申立てをした結果、無事、賠償額全額(遅延損害金も含む)の回収をすることができました。

本事例に学ぶこと
訴訟提起し勝訴判決を獲得したにもかかわらず、被告が1円も支払わないケースは少なくありません。
そのような場合の対応策として、預貯金口座や給与を差し押さえる方法がございますので、決して諦める必要はございません。
交通事故の被害に遭い、今後の対応についてお悩みの方は一度弁護士に相談ください。

弁護士 時田 剛志
弁護士 安田 伸一朗