紛争の内容
自動車を運転していたAさんは、交差点を走行中、交差道路を走行していた相手方が進行方向の信号が赤信号であったにも関わらず信号無視して走行してきたため、Aさんは衝突を受け怪我を負いました。
Aさんは、自身の自動車保険に弁護士費用特約が付帯されていたことから、弁護士費用を負担することなく賠償金を受け取ることができる状況でありました。
相手加入の保険会社とのやり取りに不満を持ち、自身での対応困難ということで、示談交渉のご依頼をいただきました。
交渉・調停・訴訟等の経過
本件事故の発生現場は、歩行者専用の押しボタン式信号機が設置され、一方道路の信号機が常時青信号であり、押しボタンを押すことにより赤信号へ変わるという現場であり、実務上「信号機により交通整理の行われない交差点」に該当する現場でした。
このような現場で上記のような事故が発生した場合、裁判実務上、過失割合が「2(被害者):8(加害者)」と認定される傾向にあります。
当方は、上記裁判実務を参考の上、損害額を計算し、相手保険会社との間で示談交渉を進めました。
本事例の結末
物損については、相手方保険会社が、提示した賠償額の全額を支払うという内容で示談を成立させることができました。
他方、通院慰謝料については、当初、相手保険会社は請求額の7割という回答をしてきました。
これに対し、当方は訴訟等の法的手段もありうることを主張し交渉を続けました。
その結果、最終的に、最初に提示した賠償額の約97%の金額を支払うとの内容で示談を成立させることができました。
本事例に学ぶこと
示談交渉の際、相手保険会社が、提示額の7割を支払うといった回答をすることは多々あります。このような場合であっても、妥協することなく適切な主張をすることで、訴訟にもつれることなく、示談段階で解決することができることが可能です。
交通事故の被害に遭い、保険会社とのやり取りで不安に思われた方は一度弁護士に相談ください。
弁護士 時田 剛志
弁護士 安田 伸一朗