紛争の内容
相談者の方は、個人事業主として自動車に乗ってあちこちの現場に工事に行っていました。
そのような中、後ろから追突される事故に遭ってしまいました。
保険会社との交渉方法が分からず、事故後早期からご依頼いただくことになりました。

交渉・調停・訴訟等の経過
事故による頸椎捻挫等に起因する痛みを治療するため、整形外科に通院する必要がありました。
もっとも、保険会社はすぐに一括対応を打ち切って自分の健康保険で通院治療費を負担するよう主張をしてきました。

そこで、痛みの度合いを数値化して治療の必要性を主張していきました。その結果、満足のいく治療を受けることができました。
症状が固定し、いよいよ具体的な損害賠償の請求をすることになりました。相談者の方としては、工事に行けなかったことで減少した売上高をそのまま賠償してもらいたいと希望されていました。

しかし、通院せずに仕事があって売上が本当に上がったと言えるのか証明することは極めて困難でした。
そこで、確定申告書の数値を基礎として、青色申告控除や非現金支出である減価償却費等を考慮した休業損害を主張することにしました。

本事例の結末
交渉段階ということで、100%は認められませんでしたが、相談者の方が十分に満足できるだけの休業損害を賠償してもらうことができました。

本事例に学ぶこと
個人事業主の方の場合、会社員と異なって通院休業による損害額を算定することが難しいことが多々あります。
そこで、確定申告書の資料を基礎としながらも、非現金支出等をきちんと考慮して計算することで、満足の行く結果に至ることができました。

弁護士 平栗 丈嗣