紛争の内容
相談者の方は、個人事業主として自動車に乗ってあちこちの現場に工事に行っていました。
そのような中、後ろから追突される事故に遭ってしまいました。
保険会社との交渉方法が分からず、事故後早期からご依頼いただくことになりました。
交渉・調停・訴訟等の経過
本件相談者の方は、残念ながら確定申告を行っていませんでした。
個人事業主の中には、そのような方が時々いらっしゃいます。
個人事業主の休業損害算定にあたっては確定申告資料が非常に重要となります。
そこで、確定申告に代わる請求書等会計資料を集め、休業損害の請求をしていきました。
本事例の結末
確定申告資料こそなかったものの、それに代わる請求書等の疎明資料を数多く提出することで、休業損害として支払うことは難しいものの、ゼロとすることは座りが悪いということで、慰謝料等その他の項目を増額させることにより事実上休業損害の賠償を得ることができました。
本事例に学ぶこと
個人事業主の方の場合、確定申告書の資料がないと、休業損害が認められることは難しくなります。
本件は、これに代わる「売上が立ったはずであること」を推測させるだけの疎明資料の提出を工夫することで、実質を取って満足の行く結果に至ることができました。
弁護士 平栗 丈嗣