紛争の内容
とある自動車ディーラーの営業マンの方が被害者でした。
事案としては、自社の自動車の購入を検討しているお客様に試乗運転をしていただくため、運転席にはお客様、後部座席に営業マンが乗車して運転していたところ、後方から追突事故に遭い、営業マンは身を乗り出して説明をしていたため、衝撃の勢いでむち打ち症に逢い、頚部や腰部に痛みが発生しました。

治療費については、事故相手の保険会社が立て替えておりましたが、慰謝料の話合いになると、態度が硬化し、交通事故と怪我との因果関係すら否定するような状況になったと聞きます。

そこで、交通事故の事件としてご依頼を受け(弁護士特約使用のため、お客様は費用負担なし)、弁護士による交渉を行うことになりました。

交渉・調停・訴訟等の経過
ところが、相手保険会社は強硬的で、慰謝料についても弁護士基準による金額を認めず、それどころか、交渉を切り上げて、「債務不存在確認訴訟」を提起してきました。

そのため、裁判で決着をつけることになりました。

保険会社側は、弁護士をつけて、依頼者のカルテ開示などを裁判所に求め、裁判所を通じて医療情報を取り寄せ、怪我の存在自体、症状固定時期、既往症につき、争ってきました。

しかし、こちらも医学的資料に基づき、具体的な反論を加えました。

結局、裁判所の方から和解勧告がなされ、怪我をしたことは事実であり、通院したことの慰謝料を支払うべきとして、既払い金のほか、相手側に対し、88万円を支払うように求めました。

本事例の結末
88万円を相手保険会社が支払う内容で和解が成立しました。

本事例に学ぶこと
保険会社によっては、あくまでも債務不存在確認訴訟などにより、裁判で争ってくる(通常は、被害者の方が裁判を起こすのですが、これは逆に、債務者の方が裁判を起こすことを意味します)場合があります。

しかし、ここで弱気にならず、証拠を収集し、きちんと裁判上で「反訴」を提起して、主張立証を進め、和解、もしくは判決を求めて戦う必要があります。

弁護士の中には、訴訟を嫌う方もいないではないですが、弊所は、交渉はもちろん、裁判対応も惜しみません。
ぜひ、ご相談ください。

弁護士 時田 剛志