紛争の内容
本件は、交差点内における直進車と右折車の衝突事故でした。
相手方の車両は、スピードを落とさずに交差点内に進入したこともあり、依頼者の方の車両は激しく損傷してしまいました。
一方で、けがについては幸いなことに軽傷にとどまったため、約2か月の通院後、後遺障害も残らずに治療終了に至りました。
依頼者の方は高齢であり、相手の保険会社とのやり取りが負担になっていました。
また、依頼者の方が契約している任意保険には、弁護士費用特約が付帯してありましたので、弁護士費用の自己負担なしでご依頼いただくことが可能でした。
そこで、法律相談を実施した後、ご依頼いただくことになりました。
交渉・調停・訴訟等の経過
受任後、まず問題となったのは物損です。
依頼者の方の乗っていた車両は、年式が古く、走行距離も多くなっていたため、相手方の保険会社の見解は、「新車価格の10パーセントが損害額である」というものでした。
たしかに、今回は修理費が高かったため、賠償の範囲としては時価額とならざるを得ませんでしたが、少しでも多くの賠償金を獲得したいと考えました。
そこで、事故車両と同車種、同じ年式、近似の走行距離の車両の中古車市場価格を調査し、その平均価格をもって保険会社と交渉しました。
保険会社は当初、増額に難色を示していましたが、最終的には、当初の保険会社の提示額に上乗せする形で、示談に至りました。
人損については、保険会社が治療終了まで一括対応をしていたこともあり、争点は慰謝料と過失割合でした。
慰謝料については、裁判所基準で算出し、保険会社と交渉しました。
最終的には、裁判所基準を前提とした金額で依頼者の方も納得され、示談しました。
本事例の結末
本件では、物損については、保険会社の提示額に上積みすることができました。
人損については、裁判所基準を前提とする慰謝料で示談できました。
依頼者の方は、ご自身の保険に付帯されていた弁護士費用特約を利用することができましたので、自己負担無しでご依頼頂けました。
本事例に学ぶこと
本件では、保険会社との交渉を弁護士にご依頼いただいたことで、ご自身で交渉するよりも多くの賠償金を獲得することができました。
弁護士 野田 泰彦
弁護士 赤木 誠治