紛争の内容
依頼者の方は、幹線道路を運転中、無理な車線変更をしてきた普通自動車に衝突されました。
その結果、頚椎捻挫の怪我をしました。

ところで、依頼者の方は、約半年前にも歩行中に交通事故に遭っており、もうすぐ治療が終わるというところでした。

症状固定後、保険会社から賠償額が提示されましたが、本件では2件の事故を同時に解決することにしました。

交渉・調停・訴訟等の経過
本件では、第1事故と第2事故では、治療期間の重複がありました。
事案を検討した結果、休業損害(主婦休損)については、第1事故と第2事故で、治療が重複している期間は折半して請求しました。
一方で、通院慰謝料については、負傷部位が異なっていたことから、折半することなく、それぞれの治療期間に応じて、裁判所基準で算定して請求しました。

交渉の結果、一方の保険会社とは示談できそうでしたが、もう一方との保険会社との交渉はまとまりそうにありませんでした。
もっとも、一方の事故だけ先に示談すると、もう一方の事故での交渉の際に、損害の責任に関して揉める可能性もありました。
そこで、2件の事故を併せて交通事故紛争処理センターへのあっせんの申立てをしました。

あっせんでは、数回の期日において、主張の根拠を示していきました。

本事例の結末
あっせん案は、おおむねこちらの主張に沿ったものであり、満足できるものでした。
そのため、あっせんにおいて各保険会社と合意しました。

本事例に学ぶこと
本件では、第1事故の治療中に第2事故に遭うというやや特殊なケースでしたが、交通事故紛争処理センターでのあっせん手続きを経て、妥当な賠償額を受け取ることができました。

弁護士 赤木 誠治