紛争の内容
依頼者は、夫婦で自動車を運転中、信号停止時に多重事故に巻き込まれました。加害者・保険会社が複数の上、それぞれに弁護士が就き、示談交渉が全く進まない状況でした。本件は、そのうち人損事故についての問題です。
交渉・調停・訴訟等の経過
保険会社は早々に弁護士に依頼し、当該弁護士も事件を放置したまま1年が経過していました。
このままではどうにもならず、まずは、加害者ごとに、保険会社・弁護士、誰が示談をする権限を有しているかの整理から始めました。
本件では、丁寧に探っていくと、実は同乗者の人損事故が宙に浮いたままであることが確認されました。そこで、まずは治療内容と賠償がなされている部分と解決していない部分とを調査・整理していきました。
その後、保険会社が依頼した弁護士については、人損事故部分について、何ら権限を有していないことが判明し、保険会社と交渉を重ねて行きました。
そして、非常に時間をかけて解決したことから、交渉示談にもかかわらず、当方の主張する遅延損害金も全て認めてもらうことができました。
本事例に学ぶこと
利害関係者が複数となると、損害の内容・賠償するべき内容について、それぞれが押し付け合い、適切な解決に至ることがない事案でした。弁護士が介入することで、主に混線しすぎていた問題を紐解き、無事解決することができた事例となりました。
弁護士 平栗 丈嗣