紛争の内容
追突事故でした。
依頼者は幼い子と父親が乗車しておりました。
車は古かったこともあり、経済的全損(修理費が車の価値を上回ること)でした。
そうすると、車の価値分しか賠償を受けることができません。
どんなに愛する車でも、です。

幼い子は、痛いと口には出せませんでしたが、不快感をあらわにしました。
父親は、むち打ち症の所見で、整形外科と整骨院への通院を余儀なくしました。

交通事故専門チームの弁護士が、物損の示談交渉段階から受任し、通院についても見守りました。

交渉・調停・訴訟等の経過
まずは物損の示談交渉を完了しました。
内容としては、保険会社は、「レッドブック」という本から、車の価値は低い金額を提示してきました。
約20万円ほどです。
レッドブックでは、一定の古い年式の車は、一律に新車販売価格の10%程度に設定されています。
しかし、インターネットの中古車市場ではどうでしょうか。
それよりも高い金額を示す似た条件の車両が複数存在しました。
その結果、私はしぶとく市場価値について争い、その結果、約60万円ほどで示談に至ることができました。
もちろん、過失割合は100:0です。

その後、子の通院が先に終了したため、通院「期間」に応じた慰謝料を「赤い本」という裁判基準に則って計算し、支払を受けることができました。
子の場合、ケガの存在や因果関係が争いになることや、通院日数をベースに主張(自賠責基準や任意保険基準)されることもありますが、弁護士が介入すれば、そのような主張は合理的に反論することも可能です。
なお、自賠責保険の基準を提示され、示談してしまった場合、なんと任意保険会社は1円も損をしません。自賠責保険から全額を回収できるからです。これは、正直に申し上げて「不当」です。

裁判所基準 > 任意保険基準 > 自賠責基準

裁判所基準は、まさに法的に適切妥当な金額を示すものですから、それより低い基準というのは相当ではありません。
(もちろん、裁判はいわば生もので、時に不利な判断もあり得るということから、個々の事情に応じて、弁護士とよく相談し、どこで手を打つべきかを吟味されるのがよいです。)

本事例の結末
最後に、父親についても長引きつつも症状固定となり、父親の慰謝料や休業損害についても、裁判所基準を前提に主張し、最初の物損のところである程度議論をしていた経緯もあってか、すんなりと弁護士の主張が認められ、裁判等による解決によらずに満足することができました。

本事例に学ぶこと
交通事故に遭ったら弁護士を。
弁護士費用は弁護士特約を。
これが交通事故では鉄則です。

弁護士が介入することにより、ここはあえて言い切りますが、確実に賠償額が上がります。
賠償額が上がらなかったケースは、我々の経験上「0」です。

とはいえ、弁護士費用を自費で賄う場合には、小さな怪我や物損の事故ですと、弁護士費用の支払により手元に残る賠償額が少なくなってしまうという可能性はあります。
しかし、弁護士特約に加入していれば、「300万円」までの弁護士費用を保険金で賄うことができ、物損や小さな怪我の賠償を「全額」あなたが受け取ることが可能です。

保険料は上がってしまうのでは?と心配になる方もいらっしゃると思います。
しかし、弁護士費用補償特約を利用することは、保険料に影響を及ぼしません。

そのため弁護士費用補償特約に加入している方は、確実に弁護士を依頼することでメリットが大きいものです。
どなたの弁護士を選ぶかは、保険会社が決めるのではありません。
あなたの決めた弁護士で構いません。

お電話をお待ちしております。

弁護士 時田剛志