事案の内容
ガソリンスタンド内における自動車同士の事故でした。
具体的には、ガソリン給油のためのスペースに停車し、給油を完了させ、出口の方向に向けて出発した依頼者の車両は、同時期に、真隣にある給油スペースに、依頼者の車両の反対側からバックで進行してくる車両を見つけ、同車両が気付いて停車してから、再出発しようと考え、車両をその場(給油ペースから出口の方に向けて少し出た状態)で停車していたところ、バックしてきた車両が依頼者の車両に気づかず、そのまま車両後方を依頼者の車両右側面に衝突した、という事故でした。
当初は、依頼者の車両が動いていなかったので、全面的に非を認めていたはずが、依頼者が念のため病院に検査に行ったところ、態度が一変し、過失相殺を主張してくるようになりました。お互いに保険会社がついておりましたが、依頼者は過失0の主張のため、依頼者の保険会社は介入してくれませんでした。また、相手保険会社は相手の言うままで過失を主張し、病院の検査代(幸い、通院が必要な怪我は見つかりませんでした)についても否定する態度をとりました。
途方に暮れた依頼者は、弊所に、物損の相談のためお越しいただきました。

事案の経過(交渉・調停・訴訟など)
弁護士としては、相手保険会社に受任したことを伝え、本件事故の過失割合に関する主張を繰り返し行いました。
もちろん、依頼者は完全に停車しており、ドライブレコーダー上も停車していることは明らかでしたので、無過失の主張を繰り返しました。
他方で、病院の検査代については、先方に請求しているのは埒が明かず、自ら自賠責に請求した方が早いと判断し、相手の自賠責保険に費用を請求することにしました。

本事例の結末
自賠責から、検査代として自己負担していた金額は支払われました。自賠責の請求には、レセプト(診療報酬明細書)や診断書の提出が求められますので、面倒はありましたが、無事に2ヶ月程度で支払われました。
その後、改めて100:0で物損(修理代中心)を相手保険会社に請求したところ、相手の態度が軟化し、結果的に、100:0の過失割合を受け入れ、修理費等全額を支払わせることに成功しました。

本事例に学ぶこと
物損事故については、交通事故を取り扱う法律事務所によっては、断られてしまうことがあります。
現に、弊所にお越しいただく相談者の中には、物損だからという理由で他の法律事務所に断られたと仰られる方もいらっしゃいます。
グリーンリーフ法律事務所では、物損だから(=損害が小さいから)という理由のみから、ご相談をお断りすることはございません。

また、本件では、相手の拘りが「検査費」にありました。その点については、なぜ被害者側が手間をかけなければならないのかという気持ちもありますが、解決に向けて自賠責に対する請求を進めてしまったのが結果として100:0の過失割合を受け入れさせることに繋がりました。
ケースバイケースで最適の手続を選択することも必要です。

交通事故でお困りの方は、お気軽に弁護士法人グリーンリーフ法律事務所までご相談ください。

弁護士 時田剛志