紛争の内容
ご依頼者様が被害者として交通事故に遭われました。
車同士の事故でしたが、ご依頼者様は負傷され、神経症状や難聴等の後遺障害が残りました。
交渉・調停・訴訟などの経過
まず、当事務所に示談交渉のご依頼を頂きましたので、相手保険会社と示談交渉を行いましたが、相手方の対応が納得のいくものではありませんでしたので、交渉を打ち切り、訴訟を提起しました。
訴訟では主に、休業損害の存否、後遺障害逸失利益の存否、過失割合等が問題になりました。
特に、休業損害・後遺障害逸失利益について、ご依頼者様は専業主婦でしたが、ご依頼者様が配偶者の方と離れて単身で生活されていたため、主婦にあたるのかどうかということが大きな争点となりました。
本事例の結末
当方から、ご依頼者様が単身で生活するに至った経緯を記載した陳述書やご依頼者様がなさっていた家事の内容等を詳細に記載した陳述書等を提出し、ご依頼者様が主婦にあたることを強く主張しました。
また、どのような家事にどのような支障が出ているかどうかについてもご家族やご本人から詳細に事情を聴き取り、それを記載した書面を提出しました。
過失割合についても、事故状況を詳細に分析し、当方に有利な事実はできる限り主張しました。
双方が一通りの主張や証拠を出し合った段階で、裁判所から和解についての提案がなされました。
金額について詰めの作業を行い、相手方が当方に対し約750万円を支払うという内容の和解が成立しました。
本事例に学ぶこと
主婦性や主婦の休業損害が争われる場合でも、実際に行っていた家事の内容や周辺事情等をご本人やご家族等から詳細かつ丁寧に聴き取り、それらを主張することで有利な結果を得られることがあることを学びました。
弁護士 野田 泰彦
弁護士 権田健一郎