紛争の内容
信号機のない丁字路交差点を右折して優先道路に合流する際に発生した交通事故に関し、裁判を起こされている相談者からの物損に関する依頼でした。
聞くところによると、過失割合につき折合いがつかず、裁判を起こされているということで弁護士を選任しなければならない状況でした。
そのため、弊所の弁護士が裁判の被告代理人を受任することになりました。

交渉・調停・訴訟などの経過
被告側の裁判ですので、訴状に対して、認否・反論を提出することから始まります。
まずは、依頼者の言い分を詳細に聴き、事故状況を確認した上で、認否・反論を加える書面(答弁書)を提出し、それに対する原告の反論、さらに被告が反論する形で裁判が進みました。ある程度、双方から主張が出そろった段階で、陳述書を提出し、いよいよ尋問期日を見据えるタイミングで、和解について検討することになりました。

本事例の結末
裁判官の暫定的な心証を基に、和解を検討しました。
その結果、原告とも協議の上、当初は100:0、どんなに譲歩をしても90:10と言われていたところ、85:15という割合で折合いを付けることができました。
また、原告が請求していたレンタカー代の内、修理期間の日数に限定して請求が認められることになり、損害額も減額することに成功しました。

本事例に学ぶこと
裁判、とくに被告側の場合、弁護士探しに苦労することもあります。
また、過失割合はそう簡単ではなく、様々な要素から総合的に判断されますので、お客様の主張が通るとは限りません。
そのため、実務経験豊富な弁護士が重要となります。
弁護士の見立てが大幅に間違えば、和解することできず、判決となり、結果として主張が全く認められないこともあります。その意味では、先方にも譲歩してもらえる可能性のある【裁判上の和解】というのは重要なポイントです。
裁判を起こされてお困りの方であっても、弁護士費用補償特約に加入されていれば、まずは、ご相談をされてみるのも一つです。

弁護士 時田 剛志