紛争の内容
右折待ちのオートバイを運転していた主婦が無保険の車から追突事故にあいました。
通勤中の交通事故であったため、労災保険の適用があり、治療費などは支払いを受けらえたのは幸いでした。
しかし、相手が無保険であったため、直接やりとりをして賠償することが恐ろしいという思いがあり、ご自身は任意保険に弁護士費用補償特約に加入していたため、持ち出し費用なく、弁護士に依頼することができました。
交渉・調停・訴訟等の経過
幸い、骨折などはなく、捻挫や打撲の症状でした。
弁護士からは、治療期間の経過を見守り、疑問があれば丁寧に回答しつつ、治療に専念していただきました。
症状固定となった段階で、後遺障害の有無を慎重に確認のうえ、依頼者の意向もあり、後遺障害申請はせず、相手方に損害賠償請求を進めることになりました。
賠償請求では、
・主婦としての休業損害
※兼業主婦の場合、パート収入と平均賃金とを比較し、高い方を基準にする考え方が主流です。
・通院慰謝料
を中心に請求しましたが、相手方からは音沙汰がなく、直ちに訴訟提起することにしました。
訴訟では、相手方が弁護士に依頼したため、弁護士同士と裁判官とで裁判を進行させることができました。
その中で、主張・立証活動、医療機関から取り寄せた資料の分析をしつつ、被告側からの和解に向けた提案もあり、和解交渉を行いました。
本事例の結末
結果的に、主婦休業損害を認めた上での和解(通院慰謝料含め120万円前後)することができました。
なお、和解の際には、相手方が保険会社でないこともあり、珍しいことですが、和解「前」に代理人弁護士を通じて金銭の交付を受け、これにより和解することを確認する内容となりました。
本事例に学ぶこと
相手方が無保険である場合もあります。
その場合、保険会社が病院等とのやりとりやお金の支払をスムーズにしてもらえないことも多く、お困りになります。
回収のリスクは、任意保険に加入している人と比較すると高いですが、決してあきらめず、法的な請求手続を履行することで、本件のように泣き寝入り、とりっぱぐれを可能な限り防ぐことが可能です。
弁護士 時田 剛志