紛争の内容
ご相談者の方は、交通事故に遭われましたが、相手方から車の修理費用を支払えという旨の訴訟提起されたため、その訴訟対応についてご相談にお越しいただきました。
訴訟提起をされておりましたが、お話をお聞きすると、むしろご相談者の方のお怪我の賠償がされていなかったことから、提起された訴訟に対応するのとあわせて、こちらから反訴というかたちでお身体の治療などについての慰謝料を請求することとしました。
交渉・調停・訴訟等の経過
ご依頼を頂いたのち、物損について請求された訴訟対応を行うことと並行して、お身体の治療のための反訴を提起するために、後遺障害の申請を行いました。
後遺障害の申請の結果、後遺障害10級の認定がなされました。
そこで、こうした後遺障害が生じていることについての慰謝料や、逸失利益について請求をしました。
しかし、逸失利益についてはそれを証明する資料が全くありませんでした。
なんとか逸失利益の主張をするために、あらゆる資料を探していただき、こちらもあらゆる角度からの主張を行いました。
また、本件は信号無視をどちらがしていたかというところも争点となっていました。
そこで、信号のサイクルについて弁護士会照会を用いて調査をしたり、できる活動をすべて行いました。
本事例の結末
結論として、ご依頼者の方が信号無視をしたということは認定できず過失割合は、90(相手方):10(ご依頼者の方)となり、逸失利益についての主張も認められました。
その結果、すでに自賠責保険から支給されている保険金約300万円をのぞいて、追加で400万円を相手方が、ご依頼者の方へ支払うという内容の和解が成立しました。
本事例に学ぶこと
訴訟提起をされており、こちら有利な事情がないと思われる事案であっても、細かな事情まで検討し、こちらが主張できる事情がないか検討をすることで、大きくこちらに利益のある結果に終わることもあります。
本件は、訴訟提起がされており、こちらが何かしらの金銭を支払う事案かとも思われましたが、事案をよく検討すると、むしろこちらが請求できる事案でした。
その結果、自賠責からの保険金も合わせて約700万円以上の金銭的利益を得ており、弁護士に相談するかしないかで大きく結果に影響がありました。
このように、人生にも大きく影響を及ぼしかねないこともありますことから、交通事故に遭われた方は、まずは一度弁護士にご相談ください。
そのご相談で大きく結論が変わることがあります。
弁護士 申 景秀
弁護士 遠藤 吏恭