紛争の内容
ご依頼者間は、道路をバイクで直進していたところ、道路外に進入しようとして対向車線から右折してきた自動車に衝突されました。
この事故により、ご依頼者様は、頸部捻挫や腰部捻挫等の負傷をされ、通院をされました。
約8か月ほど通院され、症状が残存するということでしたので、後遺障害申請をし、後遺障害14級が認定されました。
交渉・調停・訴訟等の経過
後遺障害14級が認定されましたので、それに基づき損害額を計算し、相手保険会社に請求しました。
主な争点になったのは、休業損害・通院慰謝料・後遺障害慰謝料・後遺障害逸失利益でした。
ご依頼者様は、事故前に長期間の育児休暇をとられており、直近の収入がゼロであったため、相手保険会社は当初、休業損害や後遺障害逸失利益をあまり認めないという主張をしました。
これに対し、当方は、勤務先での就労が継続する見込みがあることや育児休暇取得前の収入を算定根拠とするべきということを主張しました。
本事例の結末
交渉の結果、相手保険会社も当方の主張をほとんど認めました。
また、各種慰謝料についても、当方の請求額の9割以上を認めました。
その結果、当方の請求額の9割以上の内容で示談を成立させることができました。
本事例に学ぶこと
休業損害や後遺障害逸失利益は、事故前の収入を基に算定します。
本件のように、事故時または事故前に育児休暇などを取得されており、事故前の収入がゼロである場合、相手方は、休業損害等を認めないと主張することがあります。
そのような場合でも、勤務先での就労の継続が確実であることや休暇取得前の収入を算定基礎にできることを粘り強く主張することで、相手方も譲歩し、こちらの請求に近い内容で示談を成立させることができることを学びました。
弁護士 権田 健一郎