紛争の内容
ご相談者の方は、自動車を運転中に左折して駐車場に入ろうとしたところ、他の自動車と接触してしまい、物損を負ってしまわれました。
相手方が無保険の車両であり、過失割合について主張が大きく食い違っていました。
そこで、過失割合について主に調整をするべくご依頼を頂きました。
交渉・調停・訴訟等の経過
ご依頼をいただいたのち、まずは交渉を行いました。
こちらとしては過失割合は裁判例を見ても相手方に過失が大きく認定される事案である旨主張しました。
しかしながら、相手方からはあくまでお互いさまの事故であり、5:5である旨の主張がなされました。
示談交渉は確かにお互いが任意で合意をできるところを探るものですが、法的に根拠のない部分で応じる必要はありません。法的な根拠があり、それに納得ができるからこそ合意を行うものです。
今回の相手方の主張には、そうした法的な根拠が見当たりませんでした。
そこで、そのような主張には応じることができないとして、交渉を続けることになりました。
本事例の結末
こうした交渉の結果、ご依頼をいただいてから2か月ほどで、最終的にはこちらが当初主張していた過失割合にて合意を行うことができました。
そして、こちらの物損について賠償をしていただきました。
本事例に学ぶこと
確かに示談交渉は、法的にどの程度で合意をすべきなどの決まりがなく、お互いが任意で応じるものです。
そのため、訴訟などに比べて迅速で、柔軟な解決を図ることができます。
しかしながら、それは法的に根拠のないところで合意することを示すものではありません。
合意をするにしても一定の法的な根拠があってこそです。
当事者同士、ましてや無保険の方との交渉では、こうした法的な根拠なく「声が大きいほう」の主張がとおってしまうということも考えられます。
キチンとして法的な根拠に基づいた解決を探るためにも、どんなに些細な事故であってもご相談いただけますと幸いです。
弁護士 遠藤 吏恭