紛争の内容
依頼者の方は、駐車場から後進して出庫し、その後、直進しよう停止していたところ、同じ駐車場にいた相手方が後進して接近し、そのまま車両同士が接触しました。
なお、双方の車両にはドライブレコーダーが付いていませんでした。
その結果、事故態様や過失割合について、大きな隔たりがありました。

依頼者の方は、自身の自動車保険に弁護士費用特約が付帯されていたことから、弁護士費用を負担することなく賠償金を受け取ることができる状況でした。

相手方の保険会社の担当者とのやり取りに不満を持ち、自身での対応は困難ということで、当事務所にご依頼いただきました。

交渉・調停・訴訟等の経過
依頼者の方の主張と、相手方の主張には、後方確認の有無等について大きな相違があり、弁護士が介入したあとも平行線の状態であったことから交渉での解決は見込めないと判断し、訴訟を提起することにしました。
訴訟においては、こちらの主張を根拠づけるための証拠収集活動(現地での調査など)を行い、こちらの主張が正当であることの立証をしていきました。

本事案の結末
裁判官からは、過失割合は85(相手方):15(依頼者)である旨の心証が開示されました。
依頼者の方とも協議し、合意できるラインであったため、これを受諾しました。

相手方もこの過失割合を受け入れたため、裁判上での和解が成立しました。
依頼者の方は、過失相殺の上、相手方の保険会社から約18万円の賠償金を受け取ることができました。

本事例に学ぶこと
交通事故の際、双方の車両にドライブレコーダーが付いていないことは珍しくありませんが、事故態様の認識に相違があると、示談交渉は難航します。
そのような場合、交通事故紛争処理センターでのあっせん手続きや、裁判所での訴訟において、自身の主張の信用性を裏付ける証拠を収集・提出することになります。
交通事故の被害に遭われた方で、示談交渉が難航している方は、ぜひ弁護士にご相談ください。

弁護士 赤木 誠治
弁護士 安田 伸一朗