紛争の内容
型式の古いジャガーを専門の工場に預けたところ、半年ほど作業が完了せず、戻ってきた時にはボンネット等が劣化している状態でした。
ひとまず、修理は完了していたため費用の支払をしましたが、帰ってきてからも納得ができず、弊所に相談されました。

弊所では、劣化の原因がもっぱら(100%)工場にあるかは分からないものの、少なくとも、半年もの間、預かっており、その間も露天で放置されていた可能性もあり、善管注意義務違反がある疑いもあるものとして、ご依頼を受けることにしました。

最初は、交渉をしておりましたが、預ける前に撮影していた写真(あまり劣化は感じられない)は信用できないなどとして一切支払わない立場を表明されたため、訴訟として受けることになりました。

交渉・調停・訴訟等の経過
訴訟の中では、細かい主張立証を繰り返しました。
基本的に、商法に基づき善管注意義務があることを前提に、それに反することを具体的に主張・立証します。
中でも、今回は、法科学研究所を利用して、鑑定を実施し、その鑑定書を証拠提出することで、裏付けとしました。

本事例の結末
結局、裁判所から和解勧奨がなされ、35万円の支払をすることによる裁判上の和解が成立しました。

本事例に学ぶこと
交通事故の事案ではありませんが、交通事故に関連し、弁護士費用補償特約の対象となりましたので、依頼者は弁護士費用を補うことができました。何らかの賠償問題に巻き込まれた時、まずはご自身の加入する保険商品で弁護士費用補償特約があるか、それは当該事案に利用できるかをよく検討してもらうとよいです。

鑑定にも費用は掛かりますが、保険から賄われる場合もあるからです。

弊所は、従前から、自動車に関する相談に強い弁護士も在籍しており、ディーラーや工場その他企業側からの顧問契約などもお受けしております。

弁護士 時田 剛志