紛争の内容
高齢の男性が、優先道路を横断した際、夜間であったこともあり、左方から来た軽自動車に衝突された事故でした。
幸い、骨折などはありませんでしたが、膝の痛みを感じておられました。
治療を重ね、症状固定した段階で、足の痛みがあると訴えて後遺障害申請することとなりました。
交渉・調停・訴訟等の経過
後遺障害申請の結果は【非該当】となりました。
異議申立てという方法もありましたが、有効なエビデンスはなく、ご本人も早く交通事故のことから解放されたいというお考えもありました。
そこで、非該当を前提として、損害賠償額を計算し、請求を開始しました。
中でも、個人事業主としての売上が減ったということであったため、資料を整え、休業損害を高めに請求することとしました。
何度も保険会社とはやりとりを重ね、訴訟するかどうかの瀬戸際のところで、215万円という金額を引き出すことができました。
本事例の結末
結論としては、治療費はもちろん、それ以外に215万円が支払われることで示談が成立しました。
本事例に学ぶこと
人対車とはいえ、人側にも過失が生じる可能性があることは注意が必要です。
特に、横断歩道を歩いているのであれば過失は生じませんが、大きな道路を横断する際には注意しなければ過失が生じてしまいます。
そして、休業損害については、会社に勤めていれば「休業損害証明書」を作成してもらい、客観的資料として主張が可能ですが、個人事業主の場合、どの範囲で損害といえるのか(因果関係)が難しい争点となり、裁判ではかなり苦労したこともあります(法人の損害を代表者個人の損害と同視して勝訴的和解で認められたこともあります。)。
この点、示談交渉であれば、裁判のようなリスクを背負わず、立証もある程度で妥結できる場合もありますので、示談交渉は活用すべき事案でした。
交通事故の示談交渉でお悩みの方は、弊所までお気軽にご相談ください。
弁護士 時田 剛志