紛争の内容
依頼者は、夫婦で自動車を運転中、信号停止時に多重事故に巻き込まれました。加害者・保険会社が複数の上、それぞれに弁護士が就き、示談交渉が全く進まない状況でした。本件は、そのうち物損事故についての問題です。

交渉・調停・訴訟等の経過
保険会社は早々に弁護士に依頼し、当該弁護士も事件を放置したまま1年が経過していました。
このままではどうにもならず、まずは、加害者ごとに、保険会社・弁護士、誰が示談をする権限を有しているかの整理から始めました。
本件では、丁寧に探っていくと物損事故のみが宙に浮いたままであることが確認されました。そこで、約半年にわたり、様々な関係者にあたり、誰がイニシアティブを持っているのか調査していきました。その結果、過失割合の大きい加害者の保険会社が弁護士に依頼していることが分かりました。そこで、損害内容を整理して弁護士に請求していきました。しかし、誠意ある内容ある回答を得られず、交渉を続けること自体に大きな苦労を強いられることになりました。

本事例の結末
最終的に、車両修理費・レッカー台を適切に得るだけでなく、全く無視されてしまっていた代車費用についても適切な賠償を得ることができました。

本事例に学ぶこと
当事者が多数になるほど、法的問題を整理すること自体が困難になります。しかも弁護士が入ることで、中途半端に解決を困難にしていました。弁護士が入ることで、複雑に入り込んだ問題を大変な苦労をしながらようやく解決に至ることができた事例となりました。

弁護士 平栗 丈嗣