外傷性くも膜下出血

外傷性くも膜下出血の診断を受けた場合、どのような治療を受けられるのでしょうか。多くの場合、「くも膜下出血」と聞くと脳卒中のような病気をイメージするかもしれませんが、「外傷性」のくも膜下出血は原因も治療法も異なります。ここでは、外傷性くも膜下出血の症状や治療法、診断を受けた人に起こりうる後遺障害について詳しくご紹介します。

外傷性くも膜下出血の症状

外傷性くも膜下出血の症状

「くも膜下出血」と聞くと脳動脈瘤が破裂する病気で、命の危険を伴うものと思われるかもしれません。
しかし、「外傷性くも膜下出血」は交通事故により頭部に強い衝撃を受けた結果起こる「頭のケガ」で、頭部に打撲痕や外傷があるのが基本です。
軽傷の場合は自然と治癒することもあるため、手術せず投薬で終わることも多くあります。
ただし、後述する合併症が見つかった場合は手術が必要です。

併発しやすい後遺症と後遺障害等級

併発しやすい後遺症と後遺障害等級

外傷性くも膜下出血は、ほかの病気を併発しやすく、その併発した病気や障害について後遺障害の認定が受けられる可能性があります。

遷延性意識障害

遷延性意識障害は、重度のこん睡状態でいわゆる「植物状態」のことです。外傷後にさまざまな治療を受け、3か月以上経過しても回復の見込みがない場合に診断を受けます。被害者本人だけでなく、常時介護に従事する家族の負担も大きいと言えます。

等級(別表第1) 自賠責基準 弁護士基準
第1級 1,650万円 2,800万円

高次脳機能障害

記憶や知覚、判断学習といった認知機能に障害が起きることです。感情をつかさどる脳機能に障害が起きることもあり、人格の変化や記憶障害により日常生活に支障をきたし、介護を要するケースもあります。

等級 自賠責基準 弁護士基準
別表第2 第1級 1,150万円 2,800万円
別表第2 第2級 998万円 2,370万円
第3級 861万円 1,990万円
第5級 618万円 1,400万円
第7級 419万円 1,000万円
第9級 249万円 690万円

麻痺

脳の損傷により、末梢神経や中枢神経が損傷し、顔面や体の一部にまひが残ることがあります。麻痺の程度によっては皮膚の感覚障害や知覚機能の喪失なども起こりえます。

等級 自賠責基準 弁護士基準
別表第1 第1級 1,650万円 2,800万円
別表第1 第2級 1,203万円 2,370万円
第3級 861万円 1,990万円
第5級 618万円 1,400万円
第7級 419万円 1,000万円
第9級 249万円 690万円
第12級 94万円 290万円

視力障害

視力をつかさどる脳を損傷したことで、失明や視力の低下など、視力障害の診断を受けることがあります。

等級 自賠責基準 弁護士基準
別表第2 第1級 1,150万円 2,800万円
別表第2 第2級 998万円 2,370万円
第3級 861万円 1,990万円
第4級 737万円 1,670万円
第5級 618万円 1,400万円
第6級 512万円 1,180万円
第7級 419万円 1,000万円
第8級 331万円 830万円
第9級 249万円 690万円
第10級 190万円 550万円
第13級 57万円 180万円

外傷性てんかん

発作を繰り返す脳の疾患を「てんかん」といいますが、交通事故で頭部を負傷したことで起こるてんかんを「外傷性てんかん」といいます。
発作で突然意識を失ったり、けいれんを引き起こしたりするだけでなく、記憶障害や意識障害といった症状が出ることもあります。

等級 自賠責基準 弁護士基準
第5級 618万円 1,400万円
第7級 419万円 1,000万円
第9級 249万円 690万円
第12級 94万円 290万円

まとめ

まとめ

上記の後遺障害は、いずれも自賠責保険基準と弁護士基準があり、それぞれ金額が異なります。ただ、弁護士基準の方が高額になるため、後遺障害等級の申請をする方は交通事故に詳しい弁護士に相談すると良いでしょう。適切な等級で認定を受け、納得のいく金額の慰謝料を獲得することが大切です。お気軽にお問い合わせください。

 

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■この記事を書いた弁護士
弁護士法人グリーンリーフ法律事務所
弁護士 申 景秀
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