紛争の内容
依頼者Aさん(主婦・女性・50代)は、夫婦で車に乗っていたところ、交差点で右折車と衝突してしまいました。旦那様はむちうちで軽傷、Aさんは鎖骨骨折の重傷を負いました。緊急搬送され、その後手術等をしました。
経過
⑴ 保険会社と交渉しているがよく制度がわからず苦痛だったようで、弁護士特約を使って依頼したいとのことで、インターネットで探されて当事務所に相談がありました。
⑵ 当初保険会社からは100万円で示談の提示がありましたが、面談をした際、Aさんにはあきらかに後遺障害があると考えたので、まず後遺障害申請をすることにしました。適切な診断書の作成指示、事故状況の資料、陳述書等を作成して、いわゆる被害者請求で後遺障害認定の申立をしました。その結果、2ヶ月程度の審査を経て、後遺障害等級12級6号の認定がありました。
その後は相手の保険会社である損保ジャパンと、慰謝料・逸失利益・後遺障害慰謝料等をもとめて示談交渉を開始、2ヶ月程度でほぼ弁護士基準満額での回答を得ました。
⑶ 総損害額は、約1100万円となり、治療費等を除き、約850万円の保険金を得られました。Aさんは主婦だったので、保険会社とは、逸失利益の計算の元となる基礎年収で争いがありました。当方は、賃金センサスをもとに主張をしていたのですが、保険会社はもっと低い年収を主張しました。
また、労働能力喪失期間についても、当方は67歳までを主張し、保険会社は5年間という短い期間を主張しました。結果的に、当方の主張がほとんど受け入れられました。
⑷ 旦那様は軽傷でしたが、弁護士基準の慰謝料をしっかり獲得しました。
本事例に学ぶこと
⑴保険会社から示談(損害額)の提示があったら、まずは弁護士に相談することをおすすめします。多くの場合で、提示より慰謝料が増額するケースがあります。
⑵ 後遺障害申請は、保険会社を通さずに、被害者請求で申請するほうが適正な認定が得られやすいと考えています。
⑶ 保険会社は被害者の「味方」とは言えません。事故相手方側の立場ですので、被害者に有利な情報を教えたり、裁判基準で保険金を払うことはありません。保険会社の言うとおりにしていると、「損をする」確率が高いです。一度弁護士に相談されると良いと思います。