紛争の内容
相談者は、追突事故を受け、頚椎捻挫などの怪我を負いました。その後、すぐに弊所に依頼され、弁護士を窓口に一本化しました。その後、すぐにレンタカー日数交渉、物損交渉、そして怪我が治った後の人損に対する損害賠償交渉を行いました。

交渉・調停・訴訟などの経過
人損に対する損害賠償の交渉では、案の定、通院慰謝料が争いになったのと、休業損害の金額が争いになりました。本件は、後遺障害非該当の案件でした。
通院慰謝料の交渉では、弁護士基準の慰謝料100%をあくまでも主張。
また、休業損害については、依頼者が正社員で休業をしておらず、実際の減収はありませんでした。しかし、兼業主婦であり、主婦業に影響があることを強く主張しました。休業損害については、仕事を休業していない以上、主婦業の休業は、本人の陳述書に頼りました。

本事例の結末
結論としては、通院慰謝料については弁護士基準100%で示談し、また、休業損害についても、女性の平均賃金をベースに通院日数分を計算し、加算することができました。

本事例に学ぶこと
休業損害について。鈴木順子裁判官は、「稼動収入年間500万円の兼業主婦が受傷し、仕事に復帰することができて減収はないものの、帰宅後の家事労働ができない場合」について、「有職の主婦は、時間的な制約等から専業主婦と比較して家事労働が質量共に劣るのが通常であり、特別の事情がない限り、家事労働と他の労働を合わせて一人前の労働分として評価するのが相当であるとされています(塩崎勤「主婦の逸失利益」判タ927・23)。受傷後も仕事は休まず現実の収入減少はなかったが、家事労働には相当程度の支障が出たというような場合も、家事労働の逸失利益を認めるのは難しく、慰謝料で斟酌するのが相当ですが、家政婦等を雇用し家事労働の負担が軽減したため、休業損害が発生しなかったとみられる事情があれば、支出した家政婦代が損害として認められる余地もあるでしょう。」(2003年版赤本講演録)と述べており、本件では、休業損害を求めるのは難しい状況でした。
しかし、可能な限り、家事への支障の程度を説明したため、少なくとも通院日数分の休業損害を支払うことの承を得ることができました。
弁護士費用保証特約に加入していれば、基本的に、弁護士費用の自己負担なく、弁護士による交渉を依頼できるという高付加価値があります。
交通事故でお悩みの方は、ぜひご利用ください。