埼玉県は、毎年、全国の交通事故多発ランキングで上位に入っています。
当事務所は、さいたま市大宮区に位置するので、アクセスも良いことから、日々多くの交通事故の相談が寄せられます。
埼玉県警察の発表によると、前方不注視の追突事故が多いそうです。最近は、運転中にスマートフォンを触ったり、ナビに気を取られて前の車が減速したり止まっていることに気づかずにそのまま追突してしまうケースが多いそうです。
実際、追突事故の相談も増えていて、やはり同じような疑問を持っている方が多いように思います。そこで、このコラムでは、追突事故にあった場合にすべき事を、Q&A形式で答えていきます。
Q1.追突事故に遭ったら過失割合はどうなりますか?
A)基本的には、100:0となります。
追突された方は避けようが無いので、追突した方が100%悪いと考えるのが基本です。
ただし、双方が動いていたり、追突された側が急ブレーキをする等した場合は、追突され側にも過失が発生し、例えば、80:20という事もあり得ます。
Q2.追突事故の場合に、なにか知っておくべきことはありますか?
A)任意保険に入っている方が事故を起こしたり事故にあった場合は、大体の場合は、保険会社の「示談代行サービス」により、双方の保険会社同士が話し合いをして保険金の支払い額を決めるところまでやってくれます。
しかし、追突事故のような、100:0のケースでは、こちらの保険会社の示談代行サービスが使えません。
したがって、追突事故の場合、被害者は、ご自身だけで相手の保険会社とのやりとり・交渉をしなくてはならないのです。
Q3.追突事故にあったときにやっておくべきことはありますか?
A)追突事故にあった直後は、必ず、以下の5点を確認されることをおすすめします。
①まずは警察、救急に通報しましょう。
事故が起きてすぐにすべきことは2つあります。それは人命の救助と警察への通報です。まずは警察に事故が発生したことを通報しましょう。通報は、加害者・被害者どちらからでも良いです。
また、ケガの大きさや事情にもよりますが、ケガがありそうであれば、場合によっては救急車の要請もしてください。警察が到着したら事故の状況説明です。
警察に交通事故を知らせないと、「事故証明書」が発行されません。これは、事故があったことを証明する書類ですので、必ず取得する必要があります。
②保険会社に連絡すること
任意保険に加入している場合には、保険会社にも事故に遭ったことを連絡しておきましょう。保険会社への連絡は当日中という決まりはありませんが、その後の手続きを円滑に進めたいのであれば、可能なかぎり早く連絡しておくことをおすすめします。
事故から日数が経ってしまった場合は、適用できない保険もでてきてしまうのでご注意ください。
③安易にその場で示談しないこと
よく、「ケガも物損もたいしたことないしお互いに何もなしでどうでしょう」とか、「1~2万円払うからこれで終わりにしましょう」とか「警察が入るとお互いややこしくなるので」というやりとりがされ、その場でお金を受け取って1筆書いたり、警察に通報しないまま事故を終わらせるケースがあります。
しかし、事故にあった直後は気が動転して痛みを感じないことがあるし、車も検査してみないと修理の必要があるかどうかはわかりません。それにもかかわらず、安易に示談してしまうと、後から損害に気づいても、請求できない可能性があります。
したがって、事故の場では、示談の話はしないという事を心がけてください。
④連絡先の交換と証拠集め
加害者とは連絡先の交換をしておきましょう。加害者が保険に入っていれば、今後は加害者の加入する保険会社とのやり取りがメインになりますので、保険会社を聞いておく必要があります。保険会社に入っていない場合は、加害者本人との連絡が必要になります。少なくとも、『名前』『住所』『電話番号』を交換しておくと、その後の手続きがスムーズに進むと思われます。
次に、追突の状況や車の傷を写真に撮っておきましょう。スマートフォンのカメラで十分です。後から活用できるかもしれませんし、写真が証拠となります。
⑤事故直後に通院すること
救急で運ばれたら、病院で検査を受けることができます。
救急車を呼ばなかった場合は、事故当日か遅くとも翌日には病院で診察を受けてください。事故直後は興奮して痛みを感じないこともあるようです。
事故から日にちが経って病院に行くと、事故との因果関係が疑われてしまいます。その場合は、病院に行かなかった(いけなかった)理由について、被害者側が証明しなければいけないことになってしまいます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。追突事故については、この5点は守っていただきたい点です。
これを守れば、初期対応としては間違いないと思います。
その上で、早めに弁護士に相談することもおすすめします。
最近は、弁護士特約に加入されている被害者も多く見られますが、皆様は共通して、「どのタイミングで弁護士に相談したらよいかわからない」とおっしゃります。
弁護士特約が使える場合は、弁護士費用は保険会社から払われますし、どの段階で弁護士に依頼しても基本的には弁護士費用は変わらないのです。
また、弁護士に早めに相談すれば、今後のアドバイスを受けることもできます。
当事務所では、事故直後から相談や代理を承っていますので、追突事故に遭われたら、お気軽にご相談ください。