埼玉県でトップクラスの弁護士法人グリーンリーフ法律事務所が醜状障害について解説しているページです。
交通事故で身体や顔、露出部に傷跡が残ってしまった場合、身体の機能に異常がなくても、その状態は「醜状(しゅうじょう)障害」という、後遺障害として認定される場合があります。
バイクや自転車で交通事故に遭った場合に、顔や体に傷がついてしまうことが多いです。
醜状障害の等級認定においては、顔などの傷跡が、人目につきやすい部位なのか(露出)と、傷跡の長さや部位・程度により変わります。
例えば顔の傷跡は、要件を満たせば、後遺障害14級ではなく12級にあたる可能性があります。
頭部・顔面・頸部(外貌醜状)
頭部・顔面・頸部の日常的に露出する面の醜状についての後遺障害認定基準は以下の表のとおりです。
醜状とは、火傷等による瘢痕・線状の痕・欠損・陥没・変色などの傷跡が残ってしまった状態のことです。
また、外貌とは、頭・顔面・頸部のように、常に露出する部分をいいます。大体、頭から首までの部分を指します。
◆外部醜状が認められる条件◆
等 級 | 認定基準 | 基準の程度 |
7級12号 | 外貌に著しい醜状を残すもの | ⑴頭部に残ったてのひら大(指の部分は除く)以上の瘢痕または頭蓋骨のてのひら大以上の欠損 |
⑵顔面部に残った鶏卵大以上の瘢痕または10円硬貨大以上の組織陥没 | ||
⑶頸部に残ったてのひら大以上の瘢痕 | ||
9級16号 | 外貌に相当程度の醜状を残すもの | 顔面部に残った長さ5センチメートル以上の線状痕 |
12級14号 | 外貌に醜状を残すもの | ⑴頭部に残った鶏卵大以上の瘢痕または頭蓋骨の鶏卵大以上の欠損 |
⑵顔面部に残った10円硬貨大以上の瘢痕または長さ3センチメートル以上の線状痕 | ||
⑶頸部に残った鶏卵大以上の瘢痕 |
◆部位別のまとめ◆
部位 | 基準の程度 | 後遺障害等級 |
頭 部 | 手のひら大以上の瘢痕または頭蓋骨の手のひら大以上の欠損 | 7級12号 |
鶏卵大以上の瘢痕または頭蓋骨の鶏卵大以上の欠損 | 12級14号 | |
顔面部 | 鶏卵大以上の瘢痕または10円硬貨大以上の組織陥没 | 7級12号 |
長さ5センチメートル以上の線状痕 | 9級16号 | |
10円銅貨大以上の瘢痕または長さ3センチメートル以上の線状痕 | 12級14号 | |
頸 部 | 手のひら大以上の瘢痕 | 7級12号 |
鶏卵大以上の瘢痕 | 12級14号 |
なお、外貌の醜状は、他人から見て傷が明確に分かることが必要です。
したがって、頭髪や眉毛に隠れる部分は醜状として扱われません。微妙な判断もありますので、あきらめずに弁護士にご相談ください。
上肢と下肢の醜状
交通事故では、首や顔以外に、手足等に傷がつくこともあります。実は、手足でも傷によっては後遺障害が認められます。
ただし、外貌醜状とは違い、傷痕の大きさや部位によって、後遺障害等級は上がりません。
これは、顔や首等目立つ部分にくらべて、手足は服で隠すこともできるので、「障害」としては、軽い方であると考えられているからです。
認定基準は、以下の通りです。
「露出面」とは、上肢はひじ関節以下(ただし、手部を含む。)、下肢ではひざ関節以下(ただし、足背部を含む。)のことを言います。
等級 | 認定基準 |
14級4号 | 上肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの |
14級5号 | 下肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの |
醜状障害の慰謝料
醜状障害で後遺障害等級が認定されると、後遺障害慰謝料が発生します。金額について、以下の表でまとめました。
慰謝料には、自賠責基準と裁判基準(弁護士基準)があり、金額が全然違います。
基本的には、弁護士に依頼をしないと、保険会社は、裁判基準の金額で払っていただけません。弁護士であれば、裁判をしなくても、裁判基準での交渉が可能です。
また、後遺障害として認められた場合は、「逸失利益」が請求できます。醜状によって、将来の仕事(収入)にも影響がでると考えられます。
ただ、傷がついた部位や仕事によっては、「仕事には影響がないので、収入は下がらない」という反論を受けることがあります。当事務所は、
あらゆる判例を分析する等して、最大限の逸失利益を獲得しています。
「労働能力喪失率」というのは、障害によって、収入にどの程度の影響があるかを表す率です。
等 級 |
後遺障害慰謝料
(自賠責基準) |
後遺障害慰謝料
(裁判所基準) |
労働能力喪失率 |
7級12号 |
409万円 |
1000万円 | 56% |
9級16号 |
245万円 |
690万円 |
35% |
12級14号 |
93万円 | 290万円 |
14% |
14級 |
32万円 | 110万円 |
5% |
醜状障害の問題点
醜状障害では、「逸失利益」が保険会社との間で問題となる場合が多いです。
醜状障害で後遺障害等級が認められたのに、保険会社から受け取った損害賠償の提示や損害額の案内を見たら「逸失利益」が0円になっていたり、「後遺障害関係」という項目がそれほど金額が多くない場合は、注意が必要です。
なぜ醜状障害が問題かというと、例えば腕が動かなくなったとか目が見えなくなったという場合、将来「仕事に支障がある」と言われるとわかりやすいかと思います。
しかし、醜状障害の場合は、体の機能自体に障害は無く、見た目の問題と考えると、「醜状が残ったからと言ってなにか仕事に支障があるのか
」という問題点が生じるのです。
この点に関する、裁判所の判断は様々です。基本的には、それぞれの事情に沿った判断となります。
当事務所では、醜状障害の逸失利益についても、多くの実績がありますのでお困りの方はご相談ください。
ちなみに、裁判所の判断例は、以下のようなものがあります。
■減収のない50歳代女子介護職員の自賠責7級12号外貌醜状は67歳まで実収入の10%労働能力喪失で逸失利益を認定した事例(東京地裁 平成28年1月25日判決)
■36歳男子主張の7級顔面醜状を自賠責同様12級認定し10年間7%の労働能力喪失で後遺障害逸失利益を認めた事例(横浜地裁 平成30年3月9日判決)
■自賠責9級16号左前額線状痕を残す35歳有職主婦の逸失利益を否認し後遺障害慰謝料800万円で考慮した事例(横浜地裁 令和2年2月10日判決)
後遺障害の部位別詳細コンテンツ一覧
治療しても完治せず「症状固定」(治療してもこれ以上は状態が変わらない段階)で体に不具合が残ることを後遺障害(後遺症)といいます。下記は後遺障害の部位別詳細コンテンツ一覧です。
※後遺障害(後遺症)についての詳細はこちらを御覧ください。
腕・肩・肘・手・手指の後遺障害
→腕神経叢損傷について
→マレット変形について
→交通事故で手首を骨折した場合の後遺障害や慰謝料など
股・膝・足・足指の後遺障害
→交通事故で足関節に後遺障害(可動域制限)が残ったらどうするか?
→交通事故で足首を骨折してしまったときの後遺障害や慰謝料について
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