紛争の内容
①事故後減収がないことから労働能力の喪失がないと反論されました。
②統計上の平均賃金に基づいて逸失利益を請求したところ、事故前年の給与収入が平均賃金に届いていないので、事故前年の給与収入をもとに請求すべきと反論されました。
③加害車両による進路変更時の衝突事故であり、仮に加害車両が被害車両の前方を走っていた場合に10%の過失相殺がなされるケースでありましたが、実際に前方を走っていたのか否かが争いになりました。

交渉・調停・訴訟などの経過
①痛みを押して懸命に働いた生活状況を、陳述書にまとめて交通事故紛争処理センターに提出しました。
②事故翌年に依頼者の給与が昇給した事実と、無職者でも平均賃金に基づく請求が認められた裁判例を引用してこちらに有利な主張をしました。
③前方を走っていたという加害者の証言に信用性がないことを主張するとともに、現地調査に赴いて事故当時の交通状況を推測し、車両の位置関係についてこちらに有利な主張をしました。

本事例の結末
①労働能力の喪失を紛セに認めてもらいました。
②平均賃金の74%であり、事故前年の収入よりも23万円多い金額を基礎収入として認めてもらいました。
③過失相殺については、加害者側が被害者にも10%の過失があると主張しておりましたが、折衷案の5%で和解しました。

考察
裁判例や過失相殺に関する法律書を参照し、適切な主張をすることを学びました。